飛んでイスタンブール
〜チャンピオンズリーグ決勝観戦記〜
2005年5月

<2日目夜その2> ついに決勝
*なんのかんの言ってもやはり「インザーギとミラン」が一番好きな私。思いっきりミラン寄りの感想ですがご容赦を。

■キックオフ
 さぁ、いよいよ試合開始。キックオフの笛が吹かれます。
 しかし、試合開始前後の私には、ひとつすることが・・・。それは「インザーギは果たしてベンチ入りしてるのか?」ということ。双眼鏡を引っ張り出してベンチをチェックしますが、やはりピッポは見当たりません。ウォームアップの時には、ビリーさんのパンツについてる「5」を「9」と見間違えてしまった私(^^;)。今度はそんなことがあってはいけないと、よおおく見ますがやはりピッポはベンチにおらず。
 昨晩ホテルの部屋で見たCNNのニュースでは前日のスタジアム練習に参加するインザーギの姿がチラっと映っていたので、あわよくばスタメン、悪くてもベンチには入っていると期待していたのですが、その期待は見事に裏切られることに・・・。ベンチ入りから外された理由は
戦術上のもの(某テレビで某氏の言った夜遊び説はガセ)だったそうですが、悔しかったでしょうね、ピッポ・・・。

 ピッポチェックが終わってすぐ、試合開始30秒後くらいでしょうか、ミランにいきなりフリーキックのチャンスです。ゴール前にボールが放り込まれ、マルディーニの右足が伸びボレーシュート!ボールはワンバウンドでゴールに吸い込まれます。やったーー!!ミランいきなりゴール!!スタンドのミラニスタはみんな狂喜乱舞です。フォードがくれた「GOAL!」バナーを広げてる人も・・・(早速役に立ったね(笑))。
 このところの不調がウソのように幸先の良いスタート。今日のミランは4月までの強いミランだぞ!と思わせてくれるゴールでした。その後のミランは、確かなボール捌きでリバプールを翻弄。不思議なことに、いい感じの時ってこぼれ玉でもなんでもみんなスポっと味方の足に収まるんですよね。素晴らしいパスワーク、そしてカカーをはじめとするキレのあるドリブル、マル様はゴールに気をよくしてガンガン上がってくる・・・。
あぁミラン素敵♪♪ リバプールとの実力差はあまりにはっきりしていました。そしてさらにクレスポの2ゴールが入り、3-0という思っても見なかったスコアで前半が終わりました。
 
もしかして、ミランのワンサイドゲームなのか?そーなのか??

多分キックオフの瞬間あたり
歓声がすごくて笛が聞こえなかった
前半終了時、3-0の思っても見ないスコア!!

■魔の6分が・・・
 でもね、今だから書くわけじゃないのですが、私には3-0というスコアでもどうも安心しきれない気持ちがありました。
前半全てのゴールを目の前で目撃できた私達。「後半は、ミランがあっちに攻めるから、遠くて見れないねー」なんてダンナに言いながらも、心の中で「後半もこっちでゴールが量産されたりして・・?!」などと不吉なことを考えている自分がいたのです。あぁ、そんなことを考えてしまった私が悪かったのか?!
 これはまぁおまけみたいなもんですが、「ローマ法王逝去の年はリバプールが勝つ」というジンクスもあるんですよね。さらに、フ●テレビで以前言ってたんですが、前法王のヨハネ・パウロ2世はリバプールファンだった、とのこと(でも亡くなられてからは、彼はラツィオファンだったという話が伝わってきたのでどっちがホントかわかりませんが)。もしや法王の見えざる力でリバプールが勝つんじゃないか・・・・日本を発つ前からそんなイヤな予感があったのは本当の話(^^;)。

 そして運命の後半。皆さん存知の通り「魔の6分」がやってきます
 ジェラードのヘディング、シュミチェルのミドル、そしてガッツがジェラードを倒したということでPK、シャビ・アロンソの蹴ったボールは一度はジーダにセーブされたものの、こぼれたところを再度押し込まれてしまうのでした。
 
なんと、同点
一体何が起きたのか?信じられない気分です。前半終了時の悪い予感が大的中、見たくないゴールまで間近で3つも見てしまうとは・・・_| ̄|○。

スタムとバロシュ@後半
以前からお気に入りのシャビ・アロンソやバロシュを
見ることができたのは嬉しくなかったとは言わないのだけど・・・
後半終了時、まさか3-3になるなんて・・・

 思っても見ない展開にミランサポーターは呆然。リバプールサポーターは俄然勢いづきます。前半あんなに静かだったのに、同点になってからはミランが攻め込むと大ブーイング。音が圧力となって体に押し寄せてくるのがわかります。ミランサポとリバサポの比率は4:6〜3:7という感じでしたが、追いつかれて以降の応援のボルテージの違いは1:9くらいの開きがありました。

■延長戦そして
 そして試合は延長戦へ。浮き足立っていたミランも徐々に落ち着きを取り戻し、逆にリバプールのメンバーには疲れが見え始めます。攻めるミランにはシェバを中心に惜しいシュートが何本もあるのですが、決め切れません。
 あぁ、こんなとき「意外性のある何か」をしでかしてくれる選手がいてくれたら・・・。例えばアンブロジーニのヘディング、例えばインザーギのゴールへの執念・・・。延長戦のミランに足りなかったのは、そんな「何か」だったような気がしてなりません。しかしアンブロさんはケガ、ピッポはトリブナで観戦です。(アンブロさんは「大事な瞬間を皆で」ということで一日遅れでイスタンブール入りしていたんだそうです)
 ファンのひいき目抜きに、せめてピッポがいてくれたらどうにかしてくれたんじゃないか、今でもそう思ってしまいます。

PK戦を前に健闘を誓い合うジーダとドゥデク
(ピンボケ&手ブレですまんです)
PK戦も私のいたサイドになりました
真横すぎたためか、それとも勝負の行方に熱中していたためか、
デュデクの「くねくねダンス」には全然気がつきませんでした

 延長戦はスコアレスで終了し、いよいよ勝負はPK戦までもつれ込むことになりました。
 既にアタチュルクスタジアムはアンフィールド化。この雰囲気(リバプールサポーターの「You'll Never Walk Alone」大合唱)でのPK戦はミランにとって辛いだろうなぁ・・・。せめてもの救いはPK戦のサイドがミラン側だったことですが、それも焼け石に水。
ミランの手から一度はつかみかけたビッグイヤーがすり抜けていきました・・・。

リバプールの勝利を告げる掲示板
ピッチに寝転がるシェバ

 試合後数日してから出されたピルロのコメント「イスタンブールでPK戦になったとき、僕らはもうすでに負けていたんだ。だってあのとき、僕らの頭の中には、その前に繰り広げられた『信じられないシーン』がまだ渦を巻いていたから。」が、全てを物語っているのでしょう。

 振り返ってみて、前半のスコアが1-0か2-0だったら結果は違ったのかも。あまりにワンサイドになりすぎたために、ミランが余裕を持ったその隙を突かれてしまったのでは?なんてことも思います。
 また全体的に判定はミランに厳しかったと思います。前半のシェフチェンコのゴールがオフサイドになったのも、目の前で見ていた私達の目にはオフサイドには見えませんでしたし、ガッツ→ジェラードのファウルもあれでPKはちょっと厳しすぎのような・・・。まぁ、いろいろ言っても結果はもう覆らないのです。 

ジェラードがビッグイヤーを掲げ、紙ふぶきが舞う・・・
でも一気に出すぎて後が続かなかった気が(^^;)
(いつももっと長い時間出てますよね?)
リバプールサポーターには
「勝利を祝う花火」に見えたことでしょう

 最初にミランの選手に準優勝のメダルが贈られます。みんな首にかけられたメダルをすぐ外し、クールバのサポーターに挨拶をしてさっと引き上げていきます。後は優勝チームへのメダル&ビッグイヤー授与。次の一年間、このシーンを繰り返し見せられることになるんですね・・・_| ̄|○。
 ハートブレイクな気分を抱えつつ、リバプールの選手とサポーターによるピッチとスタンドのお祭り騒ぎを横目で見ながら、スタジアムを後にしました。

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<現地観戦こぼれ話その1>
 スタンドには、食べ物と飲み物の売店があったのですが、どの売店もどの売店もビールを買うリバサポで一杯。あれだけ飲んで食ったら・・・そう、行きたくなるのはトイレです。
 普通ああいうビッグイベントの時長蛇の列になるのは女子トイレですよね。でも今回女子トイレはがーらがらで、男性トイレは人、人、人(しかもでかい人(^^;))でゲロゴミ。しまいにゃ、むくつけき男どもが女子トイレを使用するという暴挙に。しかも行きがけの駄賃にトイレの鍵を全部破壊していきおって!!(怒) 私が帰りがけにトイレに行ったら、ハーフタイムにあった鍵がぜーんぶ壊れていたのでした。誰かに開けられないかハラハラしながらシッコしましたとさ(^^;)。
 リバプールサポーターの皆さん、君たちが歓喜に酔ったスタジアムなんだから、
アタチュルクオリンピックスタジアムの女子トイレの鍵を弁償しなさい!(爆)

<現地観戦こぼれ話その2>
 日本でテレビをご覧になっていた方、後半スタジアムに何度かアナウンスが流れたのにお気づきでしたでしょうか?
 あのアナウンスは「リバプールファンの皆さん、本日のマッチデイプログラムは売り切れました。お帰りの空港でお買い求めください」と言っていたんです。緊迫した試合の真っ最中だってのに、もお。しかも、ミランファンに向けてのアナウンスは一切なし。リバプールサポだけがプログラムよこせー!と暴動でも起こしたのか??と思ってしまいましたが、真相やいかに?

<現地観戦こぼれ話その3>
 これはテレビ中継でもちょっと映ってましたが、試合途中に陸上トラック経由で救急車が入ってきていました。しかも都合3回(4回かな?)。ミラン側に2回、リバ側に1回だったと思います。詳しい状況は不明ですが、3点のリードをふいにしたミランを見てミラニスタがぶっ倒れるのも無理からぬ話(^^;)。リバサポの方も、これまた予想外の大健闘が信じられなくてぶっ倒れたのも無理からぬ話(?!)。陸上トラックがあるピッチって遠くて好きじゃないですが、救急車が入るには便利なのかも?!

<現地観戦こぼれ話その4>
 もう終わった話なので書いても問題ないと思いますが、今回、ミランもリバプールも空港やスタジアムに近い海際のリゾートホテルに滞在していたそうです(現地ガイドムラットさんの友達ガイド談)。これは帰国してからわかったのですが、AC Milanは「ポラット・ルネサンス」、Liverpoolは「クラウン・プラザ」というホテルだったんだって。その辺からイスタンブールの市街地まではうーーーーんと遠いのです。タクシーでも30〜40分くらいは軽くかかる場所。夜遊びに行ったりするには非常に不向きです。
 従って(って根拠はこれだけじゃないですが)、インザーギが試合前日に夜遊びをしてメンバーから外されたという
ジローラモ氏の情報はガセです(怒)

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