飛んでイスタンブール
〜チャンピオンズリーグ決勝観戦記〜
2005年5月

 5月4日、PSV vs ACミランのチャンピオンズリーグ準決勝セカンドレグがACミランの勝ちぬけ決定で終わったその時、私達は決心しました。そうだ、「決勝を見に行こう!」と・・・。
まさに「飛んでイスタンブール」。決心から出発までたったの3週間という超・衝動的旅行がここに始まったのです。

*文中の1トルコリラは約80円です。

<1〜2日目> 飛んでイスタンブール

■初日〜成田からイスタンブールへ

タクシム広場周辺はリバプールサポーターだらけ。既にメートルがあがりまくり(^^;)。
ミランの旗を巻いて立ってる後姿は、レバノン人の男の子。お父さんがイタリア人なんだって。「フォルツァ、ミラン!」で盛り上がりました。

 トルコは初体験の私達。今回は旅行に行こうと決めてから出発までたったの3週間、当然チケットもエアもホテルも未手配だったので、某社の観戦ツアーを利用しての旅行でした。これだってちゃんと取れるかヒヤヒヤ物。5月5日に申し込んで9日には旅行代金全額お支払いという速さ。お金払ってしまっても本当にイスタンブールに行くのが嘘みたいな実感のなさでした。
 そしてあっという間に5/24の出発日がやってきました。下調べのヒマもなく、トルコ語基礎のお勉強も食べ物言葉覚え(私はコレを重視している(笑))も全然できず、ちょっと不安を抱えての出発です。12時間のフライト(久々の長時間フライトは超苦痛でした(^^;) 機内は満席のゲロゴミだったしね)の後、着いたアタチュルク国際空港はチャンピオンズリーグ一色(大げさ?!)。そこここに広告ポスター、スポンサーやらマスコミやらへの案内ブースもあります。「観戦に来た」と言って入国しようとしていた欧米人の男性はチケットの提示を求められていました。結構厳重な警備かも。きっとフーリガン対策という一面もあるのでしょうね(でもリバプールサポは、アジアサイドの空港からの入国となっていたのですが)。

 もしかして誰かいるかなーと浅ましくもキョロキョロしてたら、荷物が出てくるところで“ジャンルカ・トト”富樫洋一さんとお会いしました(ジャンルカさんあの折は失礼しました。空港でお目にかかったAですm(_ _)m)。ほんの一ファンの我々にも気さくにお話してくれて、テレビそのまんまのいいお声のとても素敵な方でした。幸先いい出会いに感激です(^-^)。
 空港からホテルまでは専用バス。ツアーは移動の手段をあれこれ考えなくてよくってラクチンですね。今回泊まったのは新市街の中心・タクシム広場脇のホテル街です。トルコ人ガイドのムラットさん(熱狂的ガラタサライサポ)から、タクシム広場はすでにリバプールサポーターがあふれていて騒然としているから、チラッと見に行くと面白いけどあまり近づかないようにと言われます。

 ・・・そんなこと言われたら行かずにはいられません(笑)。レッツゴー、タクシム(なんてったって徒歩3分だし)。
まだ決勝まで20時間くらいあるってのに、この盛り上がりは何?! 95%がリバプールの赤いTシャツを着てチャントを歌い、肩にはカールスバーグ
の500ml缶の1ダースパックが・・・。そんなに抱えて誰が飲むんじゃい(笑)。言われてたほどアブナイ雰囲気はなく、みんなご陽気に盛り上がってるだけ。そしてこの光景は試合開始まで延々続くことになるのです。君たちのパワーに脱帽_| ̄|○。すげーよ、レッズサポ。

■2日目〜スタジアム出発まで
 2日目、今日はいよいよチャンピオンズリーグの決勝です。試合開始は21時45分。スタジアム出発への集合時間は17時だったので昼間は観光に出かけます。今日のところは遠出をせず、新市街のドルマバフチェ宮殿へ行ってみることに。

 タクシム広場付近からドルマバフチェ宮殿への途中には、かつてイルハン・マンシズも所属していたベジクタシュのホーム・イノニュスタジアムがあります。市街地から近くって行きやすいスタジアムなんですね。スタジアムにはグッズショップも併設されています。まだ午前中の結構早い時間だったのでショップは開店前。宮殿見学後のお楽しみにとっておいて、宮殿へ向かいました。

 ドルマバフチェ宮殿は、トプカプ宮殿の老朽化に伴って19世紀後半に建設された新しい宮殿で、ヨーロッパ風の贅を尽くした内外装が特長。そして入場料が高いのが特徴(笑)。宮殿とハレムは別料金、そしてさらにカメラ撮影(ちなみに有料撮影であってもフラッシュは禁止)とビデオ撮影は別料金!どうせなら、ってことで宮殿+ハレム(セットで16トルコリラ:以下YTL)にカメラ代を(1台6YTL、ビデオだと10YTL!)プラスしたら、2人で結構なお値段になりました。

イノニュスタジアムの入り口
スタジアム脇の坂から見るボスポラス海峡とアジアサイド

 ドルマバフチェ宮殿は、英語かトルコ語のツアー形式で見学します。日本語はないので英語をチョイス。それでもガイドさん(♂)は朗々たる声でゆっくり、時にイタリア語やスペイン語も交えながら(イタリア人も沢山いた模様)解説してくれるので、ちゃんと聞いていると6割くらいは理解できます(ちょっと気をそらすとすぐわからなくなるのですが(笑))。
 建物の中は、豪華絢爛な内装、バカラのシャンデリア金銀パールの食器類(いやホントに)、ヘレケのシルク絨毯などであふれかえっています。シャンデリアはどれもこれも重さが1tとか、5tとかのすごい大きな代物で、これを全部支え続けている宮殿の建物って丈夫なのねぇ〜なんてヘンなところに感心したりしてね(^^;)。
最後の方の「帝位の間」はまさに圧巻。教会かモスクかというくらいの巨大な空間に巨大なシャンデリアが鎮座(って言わないか、ぶらさがってるんだから(^^;))。天井のフレスコ画も華麗。柱の一本だって疎かにせず豪華です。空間が巨大すぎて写真が上手く撮れなかったのが残念です。

宮殿の正門(観光客用のとは違う入り口)
ちなみに兵隊さんは人形です(わたしゃダマされた)
「階段の間」のすごいシャンデリア!これ全部バカラ製だって・・・
お値段は?!(発想が小市民)
宮殿内部のハマム(トルコ風呂)も豪華
全部大理石製
ハレム内。後で知ったのだが、
ここが「アタチュルク逝去の間」だった

 これで宮殿の表部分は終わり次はハレムツアーです。ハレムはさっきとは別の女性ガイドさんが案内してくれたのですが、こちらは声が小さめ。しかもツアー参加人数が多い割りにハレムは全体的に空間が小さく、説明してる部分に全員が入りきらないため、だんだん何がなんだかわからない状態に(^^;)。急速に興味がしぼんでしまって退屈になったのが残念でした。「アタチュルク逝去の間」もツアー中はどこだったのかわからず、さっき某サイトさんの写真を見てここだったのか!とわかった始末。もそっと少人数で案内して欲しかったです。
 そして、「セラームルク」(男性のためのスペース)見学中にはほぼノーチェックでちょっと追加料金を後悔したカメラ別料金ですが、ハレムではちょっとでもカメラを構えようものなら「タグは持ってるか?」と厳しいチェックが(料金を払うと撮影許可用のタグをくれる)。マジメに料金を払いタグをぶら下げて歩いてきたのがちょっと報われました(笑)。

試合当日昼間のタクシム広場
 そんなこんなで宮殿見学終了。帰りがけにイノニュスタジアムのグッズショップでベジクタシュのキーホルダーを買ってちょっと気分を良くして帰りました。ちなみにたったの5YTL。ドルマバフチェ宮殿の撮影料金より安いじゃん・・・_| ̄|○。
 その後は新市街の目抜き通り「イスティクラル通り」へ足を運びます。目的地はガイドのムラットさんお勧めのレストラン
「ハジュ・アブドラー(ガイドブックにも載ってます。タクシム広場から歩いてきて「VAKKO」の手前はす向かいのモスク横の路地を右に入って10mくらいのところです)。
 ここは、ウィンドウ内の大皿に盛られた料理を自分で選べるのでメニューを読みこなす必要もなく簡単。ただしお酒が一切出ないそうで、やってきたリバプールサポーターが次々帰っていくのが笑えました(^^;)。そんなにビールが飲みたいか、君たち(飲みたいんだよね(笑))。ここのお料理の味は本当に最高!晩御飯にはお酒がないと・・・という方はランチで是非どうぞ。

 さっきも書きましたが、我々のホテルはタクシム広場そばなので、どこへ行くのでも必ず広場のそばを通ります。
左の写真は昼間のタクシム広場ですが、とにかくリバプールサポーターはずーーーっと飲めや歌えの大騒ぎなのでした。広場の奥の公園部分にはカールスバーグのイベントスペースがあり、PKゲームをやってた模様。我々が朝通ったときはまだ開始前でしたが、キーパーの人形がしっかりジーダになってました。しっかし、ずっとこのテンションでやってたら私だったら試合の頃には息絶えてるね(爆)。

さ、腹ごしらえも済んで、いよいよスタジアムへ向かいます。

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